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特集: 中長期のFMC戦略 2005年 (分割版) | アニュアルレポート | KDDI株式会社 kddi ar2005 j05

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(1)

15 KDDI Annual Report 2005

顧客基盤拡大期という新たなステージへ

KDDIは2000年10月の合併による発足後、大胆な構造改 革やau事業への経営資源集中等により、高い利益成長を 実現してきました。しかし、今後も継続して事業規模を拡 大していくためには、新たな事業戦略が必要な時期に来て います。すなわち、これまでの収益基盤の確保、経営基盤 強化の時期から、次の利益成長に向けて顧客基盤を拡大し ていくという、新たなステージへ入ったと考えています。 一方で、通信業界は、これから先2-3年の間に次々と新 しい制度や新規業者の参入が予定されているなど、大きな 変化が見込まれています。しかし、当社はこのような市場 の変化を脅威として捉えるのではなく、魅力的なサービス 展開により顧客基盤を拡大することのできる大きなチャン スと捉え、これまで以上に積極的な「攻め」の戦略を実施 していきたいと考えています。

「世帯まるごとKDDI」

このような目的のためには、FMC型サービスの展開は、 非常に重要です。それは、KDDIが固定とモバイルの両方 の事業を持つ日本で唯一の総合通信会社であるため、 FMCによる統合サービスが容易に展開可能で、かつ重要 な差別化ポイントになりうるからです。

現状のKDDIのサービスを利用しているお客様の数を、 コンシューマ向けの主要なサービス別で見てみると、au は1,954万、マイラインは869万、そしてDIONは289 万契約となっていますが、この3つのサービスすべてを利 用している方というのは、まだ少ない状況にあります。そ のため、個別のサービスに契約していただいているお客様 が、KDDIの他のサービスにもご契約いただければ、当社 は顧客基盤の拡大に結びつきます。そこで、当社はFMC

によって世帯の固定とモバイルのサービスを統合し、より 便利で魅力的なサービス、コンテンツを創造し、お客様へ のメリットを提供します。これが、当社の目指す「世帯ま るごとKDDI」という考え方です。

FMCの展開ステップ

KDDIは、このようなFMC型サービスについて、次のよう に段階を踏んでの展開を考えています。

ステップ1 (2005年5月∼)

まずは、auと固定通信サービスの請求書を統合するサー ビス、「KDDIまとめて請求」を、2005年5月より開始し ました。請求書を統合すると、料金の割引が受けられるう え、毎月のご利用額に応じて貯まるポイントも統合されま す。従来までは、法人のお客様向けに同様のサービスを提 供していましたが、システム対応が可能となり、一般のお 客様向けにも開始しました。

また、販売体制においても、auと固定通信の販売網の間 でクロスセールスを展開しています。例えば、auショップ において固定通信のサービスである「KDDIメタルプラス」 や「DION-ADSL」の販売を行うことも既に実施しています。 auショップは、日本全国で2,000店舗以上という強力なネ ットワークを持つお客様との重要な接点であり、こうした資 産を有効活用することで、販売・マーケティング活動におい てもシナジーを実現していきます。

ステップ2 (時期未定)

次のステップでは、料金のバンドル化、すなわち料金施 策・料金体系の統合を目指します。例えば、auの携帯電話 を一定の台数以上契約していただいている世帯に対して、

KDDIは中長期の競争戦略において、日本で唯一の総合通信会社としての

強みを活かした固定通信とモバイル通信の融合したサービス、すなわち

FMC(Fixed & Mobile Convergence)型サービスを積極的に展開す

ることで、競争優位を確保していきます。他社よりも早く独自性のある

サービス展開を行っていくことでシェアを拡大し、より強固な事業基盤

を築くことで、持続的な成長を実現します。

持続的な成長に向けて

中長期のFMC戦略:

特 集

(2)

KDDI Annual Report 2005 16 auの基本料金や固定電話やインターネットの料金も割引

く、もしくはauと固定電話間の家族の通話に関しては料金 を割引くなど、「世帯」「家族」をキーとしたさまざまな料 金施策が考えられ、今後実施について検討していきます。

既に、auは「家族割」の提供により、家族で複数台の契約 をしていただいているお客様へは基本料・通話料の割引を 行っています。FMCでは、これを世帯に1台必ずある固定 電話と連携することによって、これまで以上にお客様にメ リットのあるサービスの提供が可能となります。

ステップ3 (時期未定)

最後のステップでは、固定とモバイルを融合した端末の提 供等、新たなサービスを提供します。ここでは、お客様が 固定とモバイルとの区別を意識することなく、高速データ サービスや高品質なマルチメディアサービスを、いつでも どこでも最適な通信環境でご利用いただくことができるこ とを目指しています。すなわち、この段階でいよいよ本格 的なFMC型のサービスが実現できることとなります。具 体的なサービスは、現在検討中です。

「DUOGATE」によるケータイコンテンツとPCの連携 auのコンテンツ分野では、FMC型のサービスが既に始ま っています。2005年4月より、当社とエキサイト株式会 社との合弁によりスタートした「株式会社Duogate」が、 新たなPCポータルサイト「DUOGATE」を開設しました。 これは、携帯電話とPC(パソコン)との連動により、外 出先では携帯電話から、自宅やオフィスではPCから、と いう利用スタイルを提供する新たなポータルサイトです。 携帯電話の長所である、いつでもどこでも手軽に使えるモ バイル性やクローズドなネットワークによるセキュアな決 済機能と、PCの長所である大きな画面を、それぞれ有効 活用することで、お客様にとってより便利な、まさに FMCが実現されているサービスです。

当社では、PCのインターネットで人気のあるコンテンツ は、auの「EZweb」において既に実現しています。例えば、 ポータルサイトはもちろん、オークション、電子決済、EC などのサービスがあります。しかし、携帯電話の小さい画 面では表現力が乏しいため、そのような短所を補うために、 このポータルサイトが活用されるものと考えています。

※契約数はいずれも2005年3月末時点。

この重なりを増やし、 「世帯まるごとKDDI」を

実現する。

1,954万契約 au

マイライン

869万契約

289万契約 DION

FMCの展開ステップ

固定/モバイルの統合請求、クロスセル

固定/モバイルの通話料金バンドル化 etc.

固定/モバイルの融合端末等新サービス開発 etc.

ステップ1

ステップ2

ステップ3

05.5∼

(検討中)

(検討中)

(3)

17 KDDI Annual Report 2005

「DUOGATE」によるFMCの一つの例をご紹介します。 auオークションに参加する場合、事前にPCポータルサイ トから大きな画面を通して商品を確認します。そして、携 帯電話のEメールアドレスへURLを送信すれば、いつでも どこでもオークションに参加し、入札することが可能とな ります。特に、自宅のPCでのみオークションへ参加する 場合に比べ、外出中に入札のタイミングを逃すことがなく なるという、非常に便利なサービスです。

ほかにも、「EZweb」の公式サイトを検索するサービスや、 携帯電話専用の絵文字を使ったメールがPCから作成でき るサービス、auからも入力できるBLOGなど、様々なサ ービスを提供しております。

このように「DUOGATE」では、auコンテンツをPCと 連携させてより魅力的なものにする、という考え方でサー ビス展開しています。これは、他のPCポータル事業者に よる、インターネットで人気のあるコンテンツを携帯電話

でも使えるようにする、といった考え方とは全く異なる発 想です。そして、こうしたポータルサイトもauがデータ 通信料金の定額制プランを提供していることがより一層の 効果を生むと考えています。すなわち、FMCの考え方を auコンテンツにも展開することは、シェア拡大のための重 要な差別化ポイントとなっていきます。

FMCを推進する組織体制

FMCを円滑に進めていくため、当社は組織体制の見直しを 行いました。従来から、au事業と固定通信事業は別々の組 織で事業運営を行なっており、それぞれが独立して採算管 理を行っています。このため、事業を跨ったサービス展開 は難しい面があったため、2005年4月より組織体制を見 直し、FMC推進体制を構築しました。

まず、au事業本部長であった中野伸彦(現代表取締役執 行役員副社長)を、全社営業担当として、au事業と固定通信

FMCポータル

ポータル

ケータイの世界

ケータイ決済 EC ブログ

PCの世界

オークション

FMCポータル まとめてau支払い

ウルトラ3G構想

1980s 1990s 2000s 2010s

固定次世代網 無線LAN 新しい無線方式 第1世代

アナログ音声

第2世代

音声・低速データ 音声・高速データ第3世代 マルチメディア

第4世代 超高速データ マルチメディア

「ウルトラ3G」は、第4世 代 携帯電話システムを包 含し、固定・移動の連携統 合(FMC)を図る。

「ウルトラ3G」 アクセス非依存 固定移動統合網

特 集

(4)

KDDI Annual Report 2005 18 事業の両方の営業部門の責任者としました。同時に、中野

の担当する部門として新たにマーケティング本部を設立し、 モバイルと固定の両方の市場に対してのマーケティング、 調査などを担当する組織としました。そして、当本部内には FMC推進室を設け、具体的なFMCサービスの検討を行って います。

また、技術部門についてもFMC推進体制の整備を行って います。中でも、技術統轄本部長であった伊藤B彦(現代 表取締役執行役員副社長)を、全社技術担当という、au事 業と固定通信事業を含むすべての技術関連の責任者として います。FMCサービスの展開においては、ベースとなるの が、固定であろうがモバイルであろうが関係のないバック ボーンの部分のネットワーク統合であり、またIPv6などの 新たな技術を積極的に活用していくこともあり、これまで 以上に当社の技術部門の役割は大きなものとなります。

「ウルトラ3G」構想について

2005年6月、当社は「ウルトラ3G」構想を発表しました。 これは、現行の3G携帯電話、無線LANのほか、WiMAX などの新たな無線システムや、ADSL、FTTHなどの固定 通信も含めたすべての回線からアクセスが可能であり、 かつ各々のアクセス手段には依存しない、固定とモバイル を統合したネットワークシステムです。これは、3Gの先 には更に高速化された4G携帯電話がある、といった直線的 な進化の系譜とは一線を画した考え方であります。当社が 固定とモバイルの両方のサービスを持っているからこそ生 まれた発想であり、FMCを提供するうえで最終的には核 となるであろう非常に重要なものです。当社は、2007年 よりこの「ウルトラ3G」のネットワーク構築に着手する予定で、 現在準備を進めています。

「ウルトラ3G」によるFMCサービスの例として、固定と モバイルのシームレス通信があります。これは、同じ通話 の中で場面に応じて利用する形態が変わっていくというも のです。例えば、お客様が携帯電話で通話しながら外を 移動している途中、バスに乗っても同じ通話を継続したい 場合、バスの中では他の乗客の方の迷惑になるため、音声 の通話は控える必要があります。そこで、テレビ電話に 画面を切り替え、メッセージをテキストで送信することで、 会話を継続します。また、家に戻った後もなお通話を継続 したい場合、今度は家庭の大きなテレビ画面を使ったテレ ビ電話に切替えることも可能となります。このようにFMC では、お客さまが固定電話や携帯電話といった、現在当たり 前のように意識している通信サービス形態を、意識すること なくサービスが受けられるようになります。

FMCとユビキタス・ネットワーク社会

今後、通信サービスはより進化したものとなり、FMCを 積極的に推進することで、いつでも・どこでも・あらゆる 人・モノにアクセスできる「ユビキタス・ネットワーク社 会」の到来が、より身近なものとなっていくと考えられま す。これは、決して遠い未来の話ではありません。KDDI はFMCによって、このような通信環境の構築を念頭にお いたサービス展開をしていきます。そして、ユビキタス・ ソリューション・カンパニーとしての地位を確固たるもの としていきます。

だいじょうぶ

固定移動統合網による

シームレス通信

固定移動統合網 KDDI

FTTH

バスの中ではテレビ電話を受け

ながら返事はテキストで 外では普通の携帯電話お互いに普通の通話 家の中では家庭用テレビで テレビ電話

参照

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注) povoはオンライン専用プランです *1) 一部対象外の通話有り *2) 5分超過分は別途通話料が必要 *3)

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